PC-MA26D/C パワーアップ記




第1章・導入編

平成15年1月13日、ファウストポイント3号店の前に陳列されていた1台のジャンクマシン、それが PC-MA26D(正式名称:PC-MA26DCZAAB42、以下 MA26D/C と称す)であった。
値段は\3,980(笑)。ちなみに購入当時のスペックは

i440LX AGPset
CPU:PentiumII 266MHz (SL2HC)
RAM:192MB(64MB+128MB,純正品)
HDD:4.3GB(Quantum FBSE4.3AT)←不良
CD-ROM:TEAC CD220
VGA:RIVA128(2MB,PCIスロットに実装済み)
LAN:PK-UG006(i82558,PCIスロットに実装済み)
USB:Front x1,Rear x1

だったので、HDD を換装すれば即実戦投入できると見込んで意気揚々と購入した。なお、MA26D/C の使用目的は EPSON A3スキャナ ES-8000 のネットワーク化、スキャンサーバとしての利用である(詳しくは 15.-1.-3 日記参照)。


第2章・運用開始まで

HDD 不良と記載されていたにも関わらず、Windows2000Pro のセットアップは順調に進んでいた(笑)
もう間もなくインストール完了という時に、[カコン、カコン、キュ〜ン(止まる音)]とか言って死亡(爆)
やっぱりダメだったようなので、NetFineNX NF16C から 2.1GB の HDD を移植することにした。
ちなみに筐体を開けるには背面の3本のネジを外すだけでよい。私はてっきり NetFine 同様、サイドパネルの下にネジがあるものだと思い込んで必死でパネルをずらそうとして轟沈するという悲惨な事態を経験してしまった。



HDD は CD-ROM ドライブの下に実装されているが、取り外すには周囲の金具(CD-ROM,FDD含む)ごと取り外す必要がある。この時 FDD を接続しているフィルムケーブルを傷つけないように十分注意されたい。
あとは換装する HDD がマスターになっているかを確認してから実装してネジ締めを行えば作業は完了である。


第3章・パワーアップあれこれ

ノーマル状態で運用していると改造したくなるのは人の常であり、これを止めることはもはや何人たりとも出来ないのである。という訳で早速 CPU を換装してみることにした。

今回用意したもの

Celeron 333MHz

何となく動きそうなアイテムから動作実験にかかることにした。
ところが、いきなり障害発生。何とファンが金具に当たってしまい CPU が実装できないのである。

マザーボードにはリテンションがないためヒートシンク形状に合わせて金具が作られている。

という訳で早速金鋸で金具の CPU リテンション部分を切断する。
この金具は PCIライザーと一体になっているので、作業するときはライザーを外した方が安全である。

そんなのお構いナシというのならば写真のようにそのままでOK(笑)


無事作業終了。

しかし今度は CPU ファンの下側部分がマザーボード側のヒートシンク固定用台座に当たってしまう事が判明したが、今回は起動実験が目的なので、ファンをヒートシンクから取り外して台座の上に乗せた。

マザーボードを外せば固定用台座を取り外せるが、今回その作業は見送った。

ようやく実装したところで、今度はファンコネクタの形状が違ったがピンアサインは同じだったので無理やり押し込んで終了(笑)
そして、いよいよ起動実験。すると、下の写真のところで止まってしまった。


まぁ動かない原因はいろいろ(コア違い等)あるので Celeron333 搭載実験は失敗という結果であっけなく幕を閉じた。


Pentium II 350MHz

電源入れても画面真っ暗。動作しなかった。
まぁこれも動かない原因はいろいろありそうなので PentiumII350MHz 搭載実験も失敗という結果で次の実験に移ることになる。


妄想戦士黄金戦士 Celeron



真打ち(?)登場である。
この Celeron はノート用の BGA パッケージ品を PPGA370pin の台座に載せた特殊な CPU で、133 x 6 とかいうシールが貼ってあったりして妖しげなものだが、実際に 800MHz で安定動作していたので今回の動作実験にエントリーしてみた。
ちなみにデスクトップ用 Celeron には FSB133MHz 対応品は存在しない事は皆さん承知のとおりである。
これを PowerLeap社の PL-iP3 に装着し、Pentium(Socket5)用 CPU ファンを取り付けて MA26D/C に実装した(下の写真)。


電源を投入して1分ほどして、ようやくRIVA128 の BIOS 画面が出て POST が始まった模様。ただ、その動作は遅く、セカンドキャッシュ Disable を思わせるような挙動を示した。
そして OS(Windows2000Pro) が起動が起動したが動作がかなり遅いので実験中止。
後日キャッシュイネーブラーを入手後、実験を再開予定である。


CPU タイプ表示は恒例の "Pentium Pro" であった。


第4章・アプリケーションの導入と運用

数々の実験を終えた MA26D/C は電脳技術研究所葛飾プラントに配属された。
SCSI インタフェース AHA-2940 (PC-9821X-B02L 相当,ROM 無し) を PCI スロットに実装し、ES-8000 を接続。
ここで行った配線や設定の変更は、
以上の作業で、SV/2 からネットワーク経由でスキャナーが使えるようになった。
試運転を兼ねて運用したところ、SV/2 の負荷は通常のネットワーク転送と同レベルにまで削減できたが、転送速度自体は若干低下している印象を受けた。ただ、メインマシンである SV/2 をスキャン時の負荷から開放する事が当初の最優先事項であった事から今回の MA26D/C のスキャンサーバー化による ES-8000 のネットワークスキャナー化はそれに大きく貢献することが分かった。


第5章・回想

SV-H98 群の真横に設置された MA26D/C。うーん、小っちゃいって事は便利だね(プ

MA26D/C は電脳技術研究所葛飾プラントに初めて配属された AT 互換機であるが、その役割はあくまで SV/2 の補機という相変わらずの扱いを受ける事になった。
葛飾プラントでは今後も 98サーバを核としたシステム運用を目指す一方、NetFineNX を RT-5 用マシンとして SV-98 model 3 の置換え用として配備する計画を打ち出すなど、今後 NEC98 アーキテクチャの縮小もささやかれており、依然として状況は厳しいものとなっている。

ちなみにこの記事のタイトルは [PC-MA26D/C パワーアップ記] であるが、購入当時と比べて何もパワーアップしていない事に注意されたい(笑)

電脳技術研究所は 98サーバのリーディングカンパニーとして NEC98 アーキテクチャの繁栄に貢献しています。

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